ケラマハナダイ物語
1982年6月、益田氏とハナダイの権威の故片山先生、そして当時伊豆海洋公園のスタッフだった小野篤司氏(現ダイビングサービス小野にいにい)が採集しに座間味島にやって来た。たまたまぼくは取材で訪れていたので、まだ無名だったケラマハナダイの採集をお手伝いしたのだ。翌日は、別の魚で珍しいものを採集していた。
約1年後、新種として発表されたのだが、しばらくして既存種のピンクバスレットと同じことがわかり、結局日本初記録種にとどまった。ちなみにピンクバスレットが発見されたのは、1856年。なんと100年以上前だ。
ケラマハナダイの生息場所は、平坦な砂地またはガレ場にポツンとある根、と決まっている。普通のサンゴ礁にはいない。したがって、その根が台風で崩れたり、住んでるハタ類などを捕り尽くしてしまうと、ケラマハナダイもいなくなってしまう。
現在ケラマハナダイは伊豆以南の太平洋、インド洋に分布している。皮肉なことに、本場?の慶良間諸島よりも今では奄美大島のほうが生息数が多く、しかも大きいのはどうしてだろうか。
写真1 まだ名前がつく前に撮影したケラマハナダイ。アカネハナゴイも2尾いる。1981年、慶良間諸島にて。
写真2 珍しい魚を採集する益田氏(左)と小野氏。1982年、慶良間諸島にて。
写真3 奄美大島のケラマハナダイ。2000年撮影。