ダイビング歴43年水中写真家・大方洋二の魚って不思議!

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ケラマハナダイ物語

写真1

ケラマハナダイは、その名の示すように、沖縄の慶良間諸島で発見された。1980年頃で、発見者は故益田一氏だ。
当初は新種の可能性が高い、ということで、標本を採集して精査する話が持ち上がった。

1982年6月、益田氏とハナダイの権威の故片山先生、そして当時伊豆海洋公園のスタッフだった小野篤司氏(現ダイビングサービス小野にいにい)が採集しに座間味島にやって来た。たまたまぼくは取材で訪れていたので、まだ無名だったケラマハナダイの採集をお手伝いしたのだ。翌日は、別の魚で珍しいものを採集していた。

写真2
約1年後、新種として発表されたのだが、しばらくして既存種のピンクバスレットと同じことがわかり、結局日本初記録種にとどまった。ちなみにピンクバスレットが発見されたのは、1856年。なんと100年以上前だ。 ケラマハナダイの生息場所は、平坦な砂地またはガレ場にポツンとある根、と決まっている。普通のサンゴ礁にはいない。したがって、その根が台風で崩れたり、住んでるハタ類などを捕り尽くしてしまうと、ケラマハナダイもいなくなってしまう。 現在ケラマハナダイは伊豆以南の太平洋、インド洋に分布している。皮肉なことに、本場?の慶良間諸島よりも今では奄美大島のほうが生息数が多く、しかも大きいのはどうしてだろうか。
写真3
写真1 まだ名前がつく前に撮影したケラマハナダイ。アカネハナゴイも2尾いる。1981年、慶良間諸島にて。 写真2 珍しい魚を採集する益田氏(左)と小野氏。1982年、慶良間諸島にて。 写真3 奄美大島のケラマハナダイ。2000年撮影。

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プロフィール

大方洋二
大方洋二○1942年 東京生まれ
高校時代にスノーケリングを始め、21歳にときに東亜潜水機(株)でスクーバダイビングの講習を受ける。同時に発売されたばかりのニコノスを手に入れ、独学で水中撮影を始める。
以来、会社勤めをしながら趣味として続け、39歳で退社してフリーの水中写真家になり、現在に至る。NHKの動物番組のコーディネーターも時折務める。日本自然科学写真協会会員。

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