ダイビング歴43年水中写真家・大方洋二の魚って不思議!

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ナポレオンの危機!

メガネモチノウオと言っても、知っている人は少ないだろう。しかし、ナポレオンフィッシュと聞けばわかるに違いない。写真の魚で、全長2mにもなる。メガネ・・・は和名で、ナポレオン・・・が俗称である。
実は、このナポレオンフィッシュが絶滅危惧種になっているのをご存知だろうか。

香港や東南アジアでは、観光客向けの高級食材になっているのだ。
このことを知ったのは10年前で、環境庁(現環境省)が発行している「環境白書」に使用する、ナポレオンフィッシュの写真を貸したときだった。
ナポレオンを店頭に置いて興味を引き、主に観光客に食べさせているわけだが、客の中には日本人も多いらしい。当然香港周辺では捕り尽くされ、フィリピン、インドネシア、パラオ、フィジーなどから輸入しているという。
もともと生息数が多いわけではないので、捕り尽くされれば別の海域から輸入、というのが繰り返されている。今では大きな個体はあまりいなくなったので、未成魚を対象にしているらしい。小さいものは、場合(皿に乗るのも好まれるので)によってはそのまま料理するが、だいたいは蓄養(イケスで大きくする)だとか。
ナポレオンはベラ科なのでさほど美味しくはないはずだが、観光客はもの珍しさとか、話のタネにするため食べているに違いない。ダイバーはパラオやモルディブ、グレートバリアリーフなどで潜れば必ず見られるので、数が減っているといっても信じられないだろう。我々ダイバーができることは、もの珍しさだけで食べたりしないこと、そのことを家族や知人に話し伝えることではないだろうか。


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プロフィール

大方洋二
大方洋二○1942年 東京生まれ
高校時代にスノーケリングを始め、21歳にときに東亜潜水機(株)でスクーバダイビングの講習を受ける。同時に発売されたばかりのニコノスを手に入れ、独学で水中撮影を始める。
以来、会社勤めをしながら趣味として続け、39歳で退社してフリーの水中写真家になり、現在に至る。NHKの動物番組のコーディネーターも時折務める。日本自然科学写真協会会員。

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