ダイビング歴43年水中写真家・大方洋二の魚って不思議!

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ミミックオクトパスの真実

先日ダイビングしてきたレンベ海峡には、ミミックオクトパスという小型のタコも多く見られた。全部で6〜7個体いたので、じっくり観察できた。

ミミックというように、擬態するタコとして知られているが、どうも疑問がある。
というのは、ふだんは砂地に半分くらい潜っていることが多い。色は赤茶色で、縞模様はほとんど出ていない(写真1)。ダイバーが刺激を与え、驚くと縞模様がくっきり現れてくる(写真2。1と同じ個体)。
オーストラリアの写真家、ロジャー・スティーンの『CORAL SEAS』という写真集に、ミミックオクトパスの擬態している写真が載っている。列挙すると、ウミヘビ、スナイソギンチャク、ウミシダ、カレイ、ジョーフィッシュ、ヒトデ、エイ、ホタテウミヘビ、ミノカサゴ、クラゲなど。


しかし今回観察したところ、前述したように赤茶色で砂に潜っていることが多い。ダイバーに見つかったらさらに潜って身を隠す。ダイバーがそれを許さないと縞模様が浮き出る。威嚇のためのようだ。そのまま何もしなければ、縞はなくなる。
カレイのようなかたちになって泳ぐこともある(写真3)が、これが一番スピードが出る態勢なのだ。ウミヘビに見えるときは、砂に潜る途中に腕が2本残っている状態のときである。クラゲの擬態の写真は、中層に浮いてるのを下から撮ったものだが、今回、浮こうとする個体はいなかった。
夢を壊すようで申し訳ないが、ミミックオクトパスが擬態するというのは、逃げるための動作の一部にすぎず、それを人間が勝手に決めつけているような気がする。
人間に見つかってからヒトデやジョーフィッシュに化けてもまったく意味がないから・・・・。


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プロフィール

大方洋二
大方洋二○1942年 東京生まれ
高校時代にスノーケリングを始め、21歳にときに東亜潜水機(株)でスクーバダイビングの講習を受ける。同時に発売されたばかりのニコノスを手に入れ、独学で水中撮影を始める。
以来、会社勤めをしながら趣味として続け、39歳で退社してフリーの水中写真家になり、現在に至る。NHKの動物番組のコーディネーターも時折務める。日本自然科学写真協会会員。

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