ダイビング歴43年水中写真家・大方洋二の魚って不思議!

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トガリエビスの性格

同じ種類の魚でも、海域(国)によって性格が異なることがずいぶんある。日本は漁業が盛んでもあるし、昔沖縄では追い込み網という、魚を脅して網に追い込む漁が多かったので、魚が憶病になっていた。

今では追い込み網は少なくなったものの、憶病な性格はなかなか直らない魚もまだいる。イットウダイ科のトガリエビスもそのような魚である。岩穴など暗い所にたいてい単独でいて、あまり外に出ない。そのくせ好奇心は強く、しばらくじっとしていると、おそるおそる出てきてこっちを見る。左は八丈島で撮影したトガリエビスで、こんな感じで様子を見にくる。

日本では生息数がさほど多くないので、大胆になれないのだろう。というのは、インド洋のモルディブでは生息数が多くて岩穴から出て群がっていることもあり、しかも近寄れるのだ。
これはモルディブのビヤドゥという島の、ビーチから行ける隠れ根で撮影したものだが、いつもトガリエビスが群がっていた。日本では撮れない写真だ。このポイントは潮当たりがよく、激流のためにたどり着けないこともあった。それでも魚が多いので、何度も通った思い出深い場所だ。海外でダイビングするときは、その海の特有な魚、固有種などを優先して撮影するべきだが、日本では近寄りにくい魚を狙うのも良いのではないだろうか。


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プロフィール

大方洋二
大方洋二○1942年 東京生まれ
高校時代にスノーケリングを始め、21歳にときに東亜潜水機(株)でスクーバダイビングの講習を受ける。同時に発売されたばかりのニコノスを手に入れ、独学で水中撮影を始める。
以来、会社勤めをしながら趣味として続け、39歳で退社してフリーの水中写真家になり、現在に至る。NHKの動物番組のコーディネーターも時折務める。日本自然科学写真協会会員。

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