ダイビング歴43年水中写真家・大方洋二の魚って不思議!

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アオリイカの繁殖期だ!

いよいよアオリイカの繁殖シーズンが始まる。繁殖期以外に見られるアオリイカは小型のものがほとんどだが、この時期になると大型のものが産卵のため、沿岸にやってくる。
伊豆半島では、木の枝を束にして海底に沈め、それを産卵床にする。しかも椎の木でないとダメらしい。海中で木の枝は違和感がある。そのため、どうも抵抗があって伊豆ではアオリイカの産卵は撮影していない。
あるとき、フォトセミナーで高知県の柏島を訪れたとき、アオリイカがヤギ類に産卵することを聞いた。

仕事が終ってから潜ったら、オドリカラマツというヤギの一種の周りにアオリイカがたくさん集まっていた。水深は約20mだ。多くはメスのようだが、オスも数匹見られる。1匹のオスは数匹のメスを支配するハレムをつくっている。オス同士が接近すると、体の色を黒っぽく変え、ヒレを大きく広げて威嚇し合う。
しばらく観察していたら、メスはオスの見守る中、オドリカラマツの根元のほうに入っていき、卵を産みつけた。それまでメスの体色は白っぽかったのだが、産む瞬間は茶色に変わった。
産み終わるといったん離れ、しばらくしてからまた産む。また、別のメスも産卵するため、卵はどんどん増えてくる。夢中になって撮影していたが、早くも浮上する時間になり、後ろ髪を引かれる思いで岸に戻ったのだった。


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プロフィール

大方洋二
大方洋二○1942年 東京生まれ
高校時代にスノーケリングを始め、21歳にときに東亜潜水機(株)でスクーバダイビングの講習を受ける。同時に発売されたばかりのニコノスを手に入れ、独学で水中撮影を始める。
以来、会社勤めをしながら趣味として続け、39歳で退社してフリーの水中写真家になり、現在に至る。NHKの動物番組のコーディネーターも時折務める。日本自然科学写真協会会員。

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