ダイビング歴43年水中写真家・大方洋二の魚って不思議!

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ヒレナガネジリンボウストーリー

ハゼ科ネジリンボウ属は日本に4種分布している。ネジリンボウ、ヒレナガネジリンボウ、ヤシャハゼ、キツネメネジリンボウだ。
ヒレナガネジリンボウ(写真)は、1982年にフィリピン産の標本を基に新種として記載された。日本で生息が確認されたのは、それから5年後。見つかった所は沖縄。慶良間諸島の座間味島の水深30mだ。
(この写真は2001年奄美大島で撮影)

発見したのは座間味のダイビングサービスでガイドをしているM君で、すぐに教えてもらって撮影した。当然このときには和名はなく、ネジリンボウの仲間だった。おそらく日本では初めての撮影と思われたが、西表島でも見つかったとか、沖縄の大学の研究者が採集したなどのウワサが流れてきた。
(1987年10月 座間味島で撮影)
同年11月にM君が上京してきたので、一緒に西伊豆の大瀬崎に潜りに行ったら、なんとネジリンボウの仲間を見つけてしまったのだ。M君はがっくりきていた。こんなに早く別な場所で見つかったからだが・・・。
(1987年11月 大瀬崎で撮影)

その当時、観賞魚の雑誌に魚のトピック的なコラムを連載していたので、1988年6月号に座間味で撮影した写真数点と文を掲載した。まだ和名がついてないにもかかわらず、勝手に「ハタタテネジリンボウ」と書いた。
それから1ヵ月後、仕事でNHKのディレクターと共に琉球大学のY先生を訪れた。話が終ってからY先生は「ハタタテ・・・はまずいよ!」と言う。雑誌を見たようだ。詳しく聞いてみると、日本初記録として発表を予定していて、和名を「ハタタテ・・・」にするつもりだとか。和名は新鮮なほうがいいようで、使うなら「ヒレナガ・・・」に、と関係者に伝えていたとか。そう言いながらY先生は、ネジリンボウの仲間の標本が入ったビンを見せてくれた。
ぼくが「ハタタテ・・・」としたのは、座間味に採集に来ていた研究者が「ハタタテ・・・」と言っていたとM君から聞いたからで、正確に伝えたかったからだ。
紆余曲折があって、結局日本初記録として記載されたのは1999年7月で、座間味で撮影してから12年も経っていた。ちなみに記載者はY先生ではなかった。
(1993年9月 沖縄本島で撮影)



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プロフィール

大方洋二
大方洋二○1942年 東京生まれ
高校時代にスノーケリングを始め、21歳にときに東亜潜水機(株)でスクーバダイビングの講習を受ける。同時に発売されたばかりのニコノスを手に入れ、独学で水中撮影を始める。
以来、会社勤めをしながら趣味として続け、39歳で退社してフリーの水中写真家になり、現在に至る。NHKの動物番組のコーディネーターも時折務める。日本自然科学写真協会会員。

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