ダイビング歴43年水中写真家・大方洋二の魚って不思議!

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ドラキュラ VS 夜叉

モルディブでドラキュラシュリンプゴビーを撮影した、と前に書いた。このハゼはテッポウエビ類と暮らす、いわゆる共生ハゼで、1960年代にセイシェルで発見され、’77年に新属・新種として記載された。

▽ドラキュラシュリンプゴビー

DSC_0457.JPG学名はStonogobiops draculaで英名はドラキュラシュリンプゴビー。なぜドラキュラ(吸血鬼)と付けられたのかは、黒い帯が赤いタイプがいること、また若い個体は黒帯と黒帯の間に赤い細い線が入っているので、それを血と見立てたのではないだろうか。

▽ネジリンボウ(撮影地・桜島)
Image1neji.jpg日本で同属のハゼが発見されたのは1970年代半ばで、場所は和歌山県。’75年に発行された図鑑にネジリンボウという和名で載った。もっともこの当時はネジリンボウ属ではなく、イトヒキハゼ属と思われていたが・・・。そして、’82年にフィリピンで発見されたヒレナガネジリンボウ、タヒチで発見されたS.medonと共に新種記載された。
▽ヤシャハゼ(撮影地・慶良間諸島)
Image3yasy.jpg現在ネジリンボウ属は世界で6種確認されていて、そのうち日本では4種分布している。ヤシャハゼもその1種。実は、ヤシャハゼは’70年代の終わりごろに慶良間諸島で発見されている。「ドラキュラ」が新種記載されたころだ。図鑑に初登場したのは’84年発刊の『日本産魚類大図鑑』(東海大学出版会)で、学名が付いてないままヤシャハゼ(新称)となっていた。
▽ヒレナガネジリンボウ(撮影地・奄美大島)
Image4hirena.jpgそのときのヤシャハゼの解説を書かれていたのは、ハゼの研究者でもある皇太子(現天皇陛下)だった。なぜヤシャハゼと付けたのかは、たぶん同属でドラキュラというインパクトの強いハゼに対抗したのではないだろうか。ちなみに、ヤシャハゼは発見されてから約20年後の’01年に新種記載された。ヒレナガネジリンボウは、20年以上前から沖縄などで知られていたが、’99年に日本初記録として和名が付いた。
▽キツネメネジリンボウ(撮影地・柏島)
Image2kitune.jpgキツネメネジリンボウは’92年ごろに柏島で発見され、’94年に新種記載された。現在では柏島をはじめ、伊豆半島、奄美大島などで時折観察される。



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プロフィール

大方洋二
大方洋二○1942年 東京生まれ
高校時代にスノーケリングを始め、21歳にときに東亜潜水機(株)でスクーバダイビングの講習を受ける。同時に発売されたばかりのニコノスを手に入れ、独学で水中撮影を始める。
以来、会社勤めをしながら趣味として続け、39歳で退社してフリーの水中写真家になり、現在に至る。NHKの動物番組のコーディネーターも時折務める。日本自然科学写真協会会員。

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