全世界で300種以上知られているスズメダイ科の魚。そのほとんどは卵の保護はするものの、ふ化と同時に終了する。稚魚が浮遊生活するからだ。ところが、たった1種だけ例外がある。スパイニークロミスで、ふ化後も一定期間両親と一緒に暮らす。
▽スパイニークロミス(GBR)

フィリピンからグレートバリアリーフ(GBR)にかけての熱帯域に分布するこのスズメダイを知ったのは、約20年前に出版された『魚の子育てと社会』(桑村哲生著、海鳴社刊)。グレートバリアリーフで学者が観察した記録と、子供を守っているイラストが描かれていた。海水魚では親子でいる姿を見ることができないので、いつかはぜひ撮影したいと思っていた。