ダイビング歴43年水中写真家・大方洋二の魚って不思議!

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続・特異な生態のスズメダイ

前回は、インドネシア(メナド)とグレートバリアリーフのスパイニークロミスを取り上げ、地域による色彩変異があると書いた。次に訪れたのはパプアニューギニア(PNG)だが、国土が広いうえにダイビングエリアも多いため、4回取材している。

▽ダイビングエリアが多いパプアニューギニア

DSC_0485.JPG左の地図で、右下に突き出ているのがニューギニア島。白丸がついている所が訪れたダイビングエリアで、左上がマダン、右上がキンベ(ワリンディ)、左下がロロアタ、右下がアロタウだ。

▽キンベのスパイニークロミス
Image8-wsp.jpg最初はキンベに行ったのだが、はたしてスパイニークロミスはメナドタイプなのか、それともGBRタイプなのか楽しみでもあった。結果は両方の中間で尾ビレの先端あたりだけが白い。1cmにも満たない稚魚が親にまとわりついていた。
▽アロタウのスパイニークロミス
Image9-asp.jpgアロタウのものは、尾ビレの後端だけが白。ここでも小さな稚魚と一緒にいるのが見られた。
▽マダンのスパイニークロミス
Image16-msp.jpgマダンのスパイニークロミスは、メナドと同じで全身黒褐色だった。ここでは4cmくらいの稚魚が周りに浮遊していた。こんなに大きくなるまで親のそばにいるのは、繁殖期が長いことを意味する。赤道から離れた海域では繁殖期が短いため、ある程度の大きさに育つと親が追い出し、次の繁殖に取り掛かることが知られているからだ。ちなみに追い出された稚魚は、別の親が保護している稚魚の中に紛れ込む。
▽ロロアタのスパイニークロミス
Image17-rsp.jpg最後に訪れたのはロロアタで、マダンと同じように全身黒褐色のものと、尾ビレの後端が微妙に白っぽいものと2タイプ見られた。PNGの中でも若干の地域変異があることがわかったのだった。
▽黄色い線があるキンベの稚魚
Image11-wsp.jpg成魚だけでなく、稚魚にも地域変異が見られる。通常、稚魚には目立った模様がないのだが、キンベの稚魚には黄色い線があり、他の海域のものとは異なっていた。いろいろな海でスパイニークロミスを見てきたが、どこの成魚も憶病で、子供より先に隠れていた。卵を守っているスズメダイ類の多くはダイバーにも体当たりしてくるのに…。もっと強くなってほしいものだ。



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プロフィール

大方洋二
大方洋二○1942年 東京生まれ
高校時代にスノーケリングを始め、21歳にときに東亜潜水機(株)でスクーバダイビングの講習を受ける。同時に発売されたばかりのニコノスを手に入れ、独学で水中撮影を始める。
以来、会社勤めをしながら趣味として続け、39歳で退社してフリーの水中写真家になり、現在に至る。NHKの動物番組のコーディネーターも時折務める。日本自然科学写真協会会員。

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