ダイビング歴50年水中写真家・大方洋二の魚って不思議!

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アネモネフィッシュ

アネモネフィッシュといえばクマノミ類のこと。イソギンチャクの英名がシーアネモネなので、それを住みかにするクマノミ類の英名がごく自然に「アネモネフィッシュ」となった。

▽アネモネフィッシュの代表のクマノミ

ke_0907551.jpgクマノミ類は日本に6種分布しているが、クマノミ類以外でもイソギンチャクに依存している魚が知られている。広い意味で、それもアネモネフィッシュという。

▽ミツボシクロスズメダイの幼魚
ama_0608.jpgそれはミツボシクロスズメダイで、幼魚のときはサンゴ、ウミシダ、イソギンチャクなどのそばで暮らす。全部が全部イソギンチャクに依存するわけではないし、たとえそばにいても成長すると離れて行くが、それでもクマノミの図鑑などでは「アネモネフィッシュ」として扱われている。
▽機関誌『みどりいし』の表紙と記事
isog4.jpg慶良間諸島の阿嘉島にある「阿嘉島臨海研究所」発行の機関誌『みどりいし』(16号'05年3月)に興味ある研究発表が掲載されていた。「阿嘉島における大型イソギンチャクの生息量と魚類との共生パターン」という題で、発表されたのは竹村明洋・岩尾研二のお二人。その中で、新たにコガシラベも幼魚期はかなり依存しているというのを突き止めた、と書かれている。意外なことに日本では始めての観察らしい。
▽ヤマブキベラと思われる幼魚
zamami_0901.jpg「意外」というのは、コガシラベラの幼魚はずいぶん前からイソギンチャクに依存しているのを観察していたからだ。しかし一時的(幼魚期だけ)なのでそれほど気にとめていなかった。また、ヤマブキベラの幼魚と思われる個体も観察しているので、もっと多くのベラ類が利用している可能性が高い。
▽カクレクマノミと一緒にキンセンイシモチも
ke0901_77.jpgそのような目で見ると他にもいるに違いない。そう思って画像を調べたら、キンセンイシモチの未成魚もセンジュイソギンチャクのそばにいることがわかった。
▽別のイソギンチャクにもキンセンイシモチが
ke8912.jpgたまたまということもあるので、古いフィルムも調べたら、アラビアハタゴイソギンチャクにいるのもあった。こちらも未成魚で、成魚になると離れるようだ。『みどりいし』の記事は、阿嘉島の周りだけの調査とのことで、さらに範囲を広げればキンセンイシモチも認知され、アネモネフィッシュの仲間入りができそうだ。でもなぜか違和感がある。

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プロフィール

大方洋二
大方洋二○1942年 東京生まれ
高校時代にスノーケリングを始め、21歳にときに東亜潜水機(株)でスクーバダイビングの講習を受ける。同時に発売されたばかりのニコノスを手に入れ、独学で水中撮影を始める。
以来、会社勤めをしながら趣味として続け、39歳で退社してフリーの水中写真家になり、現在に至る。NHKの動物番組のコーディネーターも時折務める。日本自然科学写真協会会員。

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