先日、国立科学博物館に行ったとき、売店である雑誌を見つけた。それは、この博物館が発行している『milsil』。ミルシルといい、隔月刊の自然と科学の情報誌だ。
▽表紙(左)と中の記事

ジンベエザメの写真が表紙になっていたので中を見たら、興味ある記事が載っていた。「ジンベエザメの個体識別を保護活動に生かす」というのがそれだ。
▽白い斑点は個体によって異なり、人間の指紋に匹敵する

オーストラリアの海洋保護活動家であるブラッド・ノーマン氏の活動状況を取材したもの。氏は、ジンベエザメの白い斑点模様を使って個体識別できないかと考えたが、実際には人間の目で識別は困難。そこで天体観測の手法を応用し、コンピューター・プログラミングを繰り返して'05年に実用化。この技術を使ってすでに500頭以上('08年7月現在)識別され、データベースに収められているという。
▽天体観測をヒントにジンベエザメをデータベース化

この方法のよいところは、世界中のダイバーを保護活動に巻き込めること。各地で撮影したジンベエザメの写真をノーマン氏が運営するオンライン上のサイト「ECOCEAN」に登録すると、パターンマッチング技術を使って識別され、データベースに登録される。もし同じ個体が撮影されたときには「あなたが撮影したジンベエザメが最近ここで撮影されました」というメールが届く仕組みになっているとか。
▽20年前に撮影したジンベエだが、その後どうしてるだろうか

しかし問題もある。そう簡単にはジンベエザメに出会えないし、例え出会えても斑点が識別できるように撮影できるかだ。また、どの部分を撮影してもよいのだろうかなど、よくわからないことも多い。でも、このようなユニークな方法は、世界的に減少しているジンベエザメの保護を考えるきっかけになるに違いない。
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