ダイビング歴50年水中写真家・大方洋二の魚って不思議!

HOME > ポイント > 奄美大島南部 > 6月の奄美の海(4)

« 6月の奄美の海(3) | HOME | 6月の奄美の海(5) »

6月の奄美の海(4)

6月の奄美は魚類の繁殖期に当たるため、ペアを多く見かけたり、求愛、産卵などの繁殖行動もずいぶん観察できた。

▽ニシキフウライウオのメスと右隣にいるオス

ama_1006243.jpgウミカラマツにニシキフウライウオがいた。大きさは約12cmでメスだ。撮影していたら、小さくて黒っぽい個体が画面に入ってきて、メスに寄り添った。気づかなかったが、ペアだったのだ。

▽乗っている(画面では下)個体がオスと思われる
ama_100679.jpgムチカラマツにいたガラスハゼを撮影中、もう1尾やってきた。何を思ったのか後から来た個体は、体の上に乗った。そして体を小刻みに震わせたのだ。産卵はムチカラマツの死滅した部分にするが、このときは生きている所にいたので、産卵ではない。何度も同じことをしていたので、求愛ではないだろうか。
▽夕方、浮遊するクロハコフグのオス
ama_1006872.jpgクロハコフグの産卵は夕方だが、午後4時半頃からオスは中層に浮き、泳ぎ始める。縄張り内のメスにアピールするためだ。体側の青色が明るくなるのは、薄暗くなっても目立つようにと考えられている。臆病なメスも産卵の準備ができると、海底から少し浮く。
▽メスの上に乗って泳ぐ
ama_1006881.jpgメスを見つけたオスは急接近してメスの背中に乗り、しばらく泳ぐ。最初メスは嫌がるようにして逃げて離れるが、しばらくするとまた浮かんでオスを待つ。
▽メスの背中を押し付けて誇示するオス
ama_10062.jpg何度か重なったまま泳ぐと、オスは口でメスの背中を強く押す。これが求愛行動だが、最初はメスが嫌がって逃げる。オスはまた浮かび、メスを探す。別のメス(同じメスの場合もある)が浮くと同じ行動を繰り返す。2尾が重なったままゆっくり浮上して放卵・放精するが、途中でメスが怖がってやめてしまうことも多い。もう少しで産卵したはずだが、浮上時間がきてしまった。
▽新たに加わったヤイトヤッコの若いメス
ama_090615.jpgトサヤッコがハレムを形成している所にも潜った。以前にも取り上げているが、トサヤッコのオスが同種のメスを2尾とヤイトヤッコのメス1尾を囲っている。これが3月までの構成だった。ところが今回、ヤイトヤッコの若いメスが加わっていたのだ。近くにヤイトヤッコのオスが単独でいるのもかかわらず、だ。メス4尾のうち半分が異種とは…トサヤッコのオスがよほど魅力的なのだろう。



トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.amaminchu.com/mt-tb.cgi/1572

コメント

先生の観察力はいつも凄いですね。
keiも見習おう(#^.^#)

keiさん

お褒めいただき、ありがとうございます。
ダイビングしてる間の時間は、誰にでも平等です。
だから何に興味を持って観るかが大切だと思います。
これまで観察したことを頭に入れておくと、効率よく観られるはずです。
ぼくは魚の行動に興味があるので、そればかり気になっていますが、
その代わりウミウシを見逃してます…

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

プロフィール

大方洋二
大方洋二○1942年 東京生まれ
高校時代にスノーケリングを始め、21歳にときに東亜潜水機(株)でスクーバダイビングの講習を受ける。同時に発売されたばかりのニコノスを手に入れ、独学で水中撮影を始める。
以来、会社勤めをしながら趣味として続け、39歳で退社してフリーの水中写真家になり、現在に至る。NHKの動物番組のコーディネーターも時折務める。日本自然科学写真協会会員。

過去記事

2010年
2009年
2008年
2007年
2006年

過去記事一覧

[admin] [ed]