6月の奄美は魚類の繁殖期に当たるため、ペアを多く見かけたり、求愛、産卵などの繁殖行動もずいぶん観察できた。
▽ニシキフウライウオのメスと右隣にいるオス

ウミカラマツにニシキフウライウオがいた。大きさは約12cmでメスだ。撮影していたら、小さくて黒っぽい個体が画面に入ってきて、メスに寄り添った。気づかなかったが、ペアだったのだ。
▽乗っている(画面では下)個体がオスと思われる

ムチカラマツにいたガラスハゼを撮影中、もう1尾やってきた。何を思ったのか後から来た個体は、体の上に乗った。そして体を小刻みに震わせたのだ。産卵はムチカラマツの死滅した部分にするが、このときは生きている所にいたので、産卵ではない。何度も同じことをしていたので、求愛ではないだろうか。
▽夕方、浮遊するクロハコフグのオス

クロハコフグの産卵は夕方だが、午後4時半頃からオスは中層に浮き、泳ぎ始める。縄張り内のメスにアピールするためだ。体側の青色が明るくなるのは、薄暗くなっても目立つようにと考えられている。臆病なメスも産卵の準備ができると、海底から少し浮く。
▽メスの上に乗って泳ぐ

メスを見つけたオスは急接近してメスの背中に乗り、しばらく泳ぐ。最初メスは嫌がるようにして逃げて離れるが、しばらくするとまた浮かんでオスを待つ。
▽メスの背中を押し付けて誇示するオス

何度か重なったまま泳ぐと、オスは口でメスの背中を強く押す。これが求愛行動だが、最初はメスが嫌がって逃げる。オスはまた浮かび、メスを探す。別のメス(同じメスの場合もある)が浮くと同じ行動を繰り返す。2尾が重なったままゆっくり浮上して放卵・放精するが、途中でメスが怖がってやめてしまうことも多い。もう少しで産卵したはずだが、浮上時間がきてしまった。
▽新たに加わったヤイトヤッコの若いメス

トサヤッコがハレムを形成している所にも潜った。以前にも取り上げているが、トサヤッコのオスが同種のメスを2尾とヤイトヤッコのメス1尾を囲っている。これが3月までの構成だった。ところが今回、ヤイトヤッコの若いメスが加わっていたのだ。近くにヤイトヤッコのオスが単独でいるのもかかわらず、だ。メス4尾のうち半分が異種とは…トサヤッコのオスがよほど魅力的なのだろう。
コメント
先生の観察力はいつも凄いですね。
keiも見習おう(#^.^#)
投稿者: kei | 2010年06月28日 02:19
keiさん
お褒めいただき、ありがとうございます。
ダイビングしてる間の時間は、誰にでも平等です。
だから何に興味を持って観るかが大切だと思います。
これまで観察したことを頭に入れておくと、効率よく観られるはずです。
ぼくは魚の行動に興味があるので、そればかり気になっていますが、
その代わりウミウシを見逃してます…
投稿者: 大方 洋二 | 2010年06月28日 10:35