ダイビング歴50年水中写真家・大方洋二の魚って不思議!

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6月の奄美の海(5)

産卵中の魚も数種観察できたが、やはりスズメダイ類がほとんど。特にミツボシクロスズメダイはあちこちで産んでいて、繁殖力の強さを見せつけられた。

▽目玉模様があるニセネッタイスズメダイの成魚

ama_1006781.jpg内湾のポイントに、成魚にもかかわらず、背ビレに目玉模様があるニセネッタイスズメダイがいた。通常目玉模様があるのは幼魚のみで、成魚にはない。このことは、ニューカレドニアの回でも書いている。


▽シャコガイの殻の中で産卵中のペア
ama_1006791.jpgまぁそれはともかく、その個体を見ていたらシャコガイの殻に出たり入ったりしている。そのうちやや小型の個体(メス)がその中に入り、産卵を始めた。ちなみにメスにも目玉模様があった。
▽拡大した画像。透明の卵が見えた
ama_1006789.jpg産卵中もオスとメスは中断して外にでることもあったが、それでも無事産み終えた。普通は穴の天井部分に産むので卵が見えないことが多い。だが今回は見える所だった。拡大してみると、透明な卵が産み付けられているのがわかる。
▽産卵中のアオバスズメダイ。左がオス
ama-1006238.jpgアオバスズメダイも産卵していた。胸ビレの付け根が黒いのが本種の特徴で、近縁種のデバスズメダイは黒くない。また、生殖管はオレンジ色で、デバスズメダイは白い。オスがメスを誘って産卵床まで連れて来る。メスは5~6秒産んだ後一旦離れるが、また産みに来る場合と、別のメスが来る場合がある。
▽巣穴を知らせたオスと入れ代わりでメスが入る
ama_1006233.jpgオウゴンニジギンポの求愛も観察できた。外見では区別がつかないが、腹部が膨れているのがメスと判断。1尾のメスの周りに3尾のオスがいて、それぞれが斜め下に約30cm勢いよくダッシュし、ゆっくりと上に戻る。この動作が求愛で、何度も繰り返しながら徐々に自分の巣穴へメスを誘導する。そしてオスが先に巣穴へ入り、メスに位置を知らせる。
▽産卵を終えて巣穴から顔を出すメス
ama_1006230.jpgオスが出ると交代でメスが入る。姿が見えなくなるほど奥に入るので実際には見えないが、産卵しているに違いない。メスが出ると代わりにオスが入って受精させる。メスは複数のオスの巣穴で産卵し、リスクを軽減する。オスも複数のメスを誘い、卵がふ化するまで世話する。



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プロフィール

大方洋二
大方洋二○1942年 東京生まれ
高校時代にスノーケリングを始め、21歳にときに東亜潜水機(株)でスクーバダイビングの講習を受ける。同時に発売されたばかりのニコノスを手に入れ、独学で水中撮影を始める。
以来、会社勤めをしながら趣味として続け、39歳で退社してフリーの水中写真家になり、現在に至る。NHKの動物番組のコーディネーターも時折務める。日本自然科学写真協会会員。

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